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new 医師による面接指導マニュアル2 長時間労働者編

医師による面接指導マニュアル2 長時間労働者編

 令和6年4月26日 発売!


堀江 正知(産業医科大学 産業保健管理学研究室 教授 / 副学長)
B5判/112頁/本文2色刷


定 価:2,200円(消費税込)
送 料:配送地域により異なります。

 


内 容:

面接指導の流れに沿ってポイントを解説。面接指導の経験がそれほど豊富ではない産業医でも理解・実践できる!

◆実務に役立つチェックリスト・書式や会話例を掲載。書式類はウェブからダウンロード可能。

◆一般の長時間労働者への面接指導に加え、長時間労働医師への面接指導を行う際の留意点にも言及。

◆長時間労働対策の良好事例を紹介。効果のある長時間労働者への対応や支援の方法が、より具体的にわかる。


長時間労働者への医師による面接指導の流れに沿ってポイントを平易に解説。

一般の労働者への面接指導に加え、長時間労働医師への面接指導を行う際の留意点や、さらに、近年増えているオンラインによる面接指導における注意点なども説明。

実務に役立つチェックリストや各種様式、会話例などのほか、長時間労働の是正や労働環境の改善に関する良好事例も掲載。効果のある長時間労働者への対応や支援の方法が、より具体的に理解できる。

面接指導の経験がそれほど豊富ではない産業医でも重要なポイントを把握でき、最低限必要な面接指導が実施できるための一冊。


著者略歴:


堀江 正知(ほりえ せいち)


産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学研究室 教授 / 副学長。

1986年、産業医科大学医学部卒業。1991年からカリフォルニア大学 サンフランシスコ校 レジデント。1993年、カリフォルニア大学 公衆衛生学大学院 修士(MPH)。日本鋼管株式会社(現・JFEスチール株式会社)専属産業医、同社京浜保健センター長を経て、2003年から産業医科大学 産業生態科学研究所 産業保健管理学研究室 教授。2010年から2016年まで同大学 産業生態科学研究所 所長、2016年から2022年まで同大学 ストレス関連疾患予防センター長、2020年から同大学 副学長(併任)。労働衛生コンサルタント(保健衛生)。博士(医学)。日本産業衛生学会専門医・指導医。

(2024年3月29日時点の情報です)


構 成:


はじめに


Ⅰ 面接指導の流れとポイント 


1 長時間労働者への医師による面接指導のおおよその流れ

 ①面接指導対象者を選定する

 ②面接指導の実施前準備をする

 ③面接指導を実施し、面接指導の内容を記録する

 ④面接指導対象者に保健指導をする

 ⑤事業者に就業上の措置に関する意見を述べる

  《面接指導対象者が医師の場合》


2 面接指導対象者を選定する

1. 法令における規定による選定

  《面接指導対象者が医師の場合》

2. 事業者が自主的に定める基準による選定

3. 申し出をしない長時間労働者への勧奨

  《面接指導対象者が医師の場合》

4. 面接指導の対象外となった労働者へのサポート


3 面接指導の実施前準備をする

1. 面接指導を行う医師の決定

  《面接指導対象者が医師の場合》

2. 面接指導実施場所の決定

3. 面接指導対象者の情報を入手

  《面接指導対象者が医師の場合》


4 面接指導を実施し、面接指導の内容を記録する

1. 面接指導を受ける労働者への配慮

2. 面接指導の内容

3. 面接指導時の会話例

 ①面接指導対象者を出迎える場面

 ②面接指導における確認項目を聴取する場面

  《面接指導対象者が医師の場合》

 ③面接指導対象者の精神的な不調が心配される場面

 ④面接指導を終了する場面

4. 面接指導対象者が医師の場合の面接指導のポイント

 ①面接指導対象医師と面接指導実施医師とのマッチングに注意する

 ②時間外・休日労働が100時間以上となる前に実施する

 ③副業・兼業を行う医師の労働時間は通算する

 ④診療科や世代の違いなどによる差に留意する

 ⑤医師の業務や働き方の特性に気を配る

 ⑥メンタルヘルス不調と循環器疾患リスクの評価を中心に行う

 ⑦助けを求められた場合は早めの対応を心がける

5. オンラインによる面接指導のポイント

 ①面接指導を実施する医師の要件

 ②面接指導に使用する情報通信機器とアクセス環境

 ③緊急時の連絡先や対応体制の整備

 ④対面による面接ではないことによる留意点

 ⑤リモートワークによる長時間労働者への対応

6. 面接指導の内容の記録

  《面接指導対象者が医師の場合》

7. 面接指導のポイントがわかる動画教材


5 面接指導対象者に保健指導をする

1. 面接指導における保健指導

2. 就業上の措置と保健指導との関係

3. 保健指導の内容


6 事業者に就業上の措置に関する意見を述べる

1. 面接指導対象者が一般の労働者の場合

 ①医師からの意見聴取

 ②事後措置の決定と実施

 ③事後措置に関する情報提供

2. 面接指導対象者が医師の場合

 ①面接指導実施医師からの意見聴取

 ②事後措置の決定と実施

3. 衛生委員会の関与について

4. よく見られる長時間労働の原因と対策



Ⅱ 科学的根拠に基づく健康障害のリスク評価 


1 脳心血管病リスクの評価

2 久山町スコアによる動脈硬化性疾患発症予測モデル

3 多目的コホート研究(JPHC研究)のリスクスコアによる脳卒中確率



Ⅲ 事例から学ぶ長時間労働対策


1 面接指導対象者の業務の内容・配分の調整・変更などにより是正・改善した事例

事例1:抑うつ症状が悪化した労働者に対し、上司と人事を交えた面談を行い業務負荷を軽減

事例2:プロジェクト遂行に伴う過重労働から抑うつ症状を呈した労働者の業務配分を見直し

事例3:トラブル対応に伴う長時間労働で抑うつ症状を呈した労働者の業務内容を調整

事例4:面接指導を契機に仕事以外のストレス要因を把握し、業務負荷を見直し

事例5:睡眠障害等の自覚症状を認め、業務体制の見直しを実施

事例6:頻回の出張による疲労の蓄積を認め、出張を制限

事例7:現場管理者に業務が集中している状況に対し、業務配分の見直しを実施

事例8: トラブル対応の多い職場で面接指導をきっかけに職場全体の業務体制を見直し


2 面接指導対象者に対する就業上の措置により是正・改善した事例

事例9:繁忙期に疲労の蓄積が見られ、就業上の措置および業務負荷軽減を実施

事例10:複数の自覚症状を認め、就業上の措置および業務負荷軽減を実施

事例11:異動に伴う業務負荷増大により複数の自覚症状を認め、就業上の措置を実施

事例12:面接指導でうつ病が示唆され、就業上の措置および業務負荷軽減を実施

事例13:面接指導で基礎疾患の悪化が確認され、就業上の措置および人事との面談を実施

事例14:多忙に伴う治療中断で基礎疾患が増悪した労働者に対し、就業上の措置を実施

事例15:コントロール不良な基礎疾患に対して就業上の措置を講じたが、改善に苦慮

事例16:面接指導を契機に血圧高値を把握し、就業上の措置を実施


3 職場の体制・環境などの調整・修正により是正・改善した事例

事例17:慢性的なストレス症状を受けて、業務分担の見直しを実施

事例18:抑うつ症状を呈した社員への対策を契機に、労働環境の根本的な見直しを実施

事例19:上司による業務状況の把握が不適切な状況を、人事への働きかけにより改善

事例20:異動によるパフォーマンス低下および抑うつ症状を認め、労務管理を見直し

事例21:慢性的な長時間労働が発生している会社において、業務体制の見直しを実施

事例22:産業医が非効率的な業務について報告し、業務体制の見直しを実施

事例23:経営幹部へ働きかけ、残業時間の設定や業務配分の見直しを実施

事例24: 業務量の増加見込みに対し、計画的な業務体制見直しにより業務上疾病の発生を防止

事例25:社員の疲労状況を報告し、業務体制の見直しを実施

事例26:サービス残業の実態を報告し、労務管理を改善

事例27:社員の疲労状況を報告し、慢性的な人手不足を解消

事例28:繁忙期のコミュニケーション不足に対し、上司への報告および業務配分の見直しを実施

事例29:作業環境の不具合を指摘し、作業効率を向上


4 面接指導対象者への支援や受診勧奨などにより是正・改善した事例

事例30:管理職への昇進を契機とした長時間労働に対し、上司による支援を実施

事例31:業務の未熟性に伴う長時間労働に対し、技能取得の機会を設定

事例32:業務の未熟性による長時間労働に対し、技能取得や支援体制整備について助言

事例33:長時間労働により高血圧が増悪したと考えられる労働者に対し、受診勧奨を実施

事例34:面接指導を契機に放置していた脂質異常の治療を開始


コラム

コラム1:長時間労働者への医師による面接指導の実施率

コラム2:申し出があった長時間労働者に対する面接指導の実施率

コラム3:地域産業保健センターを活用した面接指導の実施

コラム4:面接指導の所要時間や個人情報の管理など


巻末資料

●長時間労働者と循環器疾患および精神疾患等の関連を示した先行研究

●長時間労働者への面接指導に関連する法令一覧(抄)

 ・労働安全衛生法

 ・労働安全衛生規則

 ・労働基準法施行規則

●長時間労働者への面接指導に関連する通達一覧(抄)

 ・地域産業保健センターにおける面接指導等の相談窓口における運用について(平成20年3月14日 基安労発第0314001号)

 ・長時間労働医師への面接指導実施医師養成講習の実施について(令和4年12月27日 医政発1213第6号)

 ・情報通信機器を用いた労働安全衛生法第66条の8第1項、第66条の8の2第1項、第66条の8の4第1項及び第66条の10第3項の規定に基づく医師による面接指導の実施について(令和2年11月19日 基発1119第2号)

 ・情報通信機器を用いた産業医の職務の一部実施に関する留意事項等について(令和3年3月31日 基発0331第4号)

●長時間労働者への面接指導に役立つマニュアル・ガイドライン・リーフレット等

●本書に掲載した各種書式、チェックリスト等一覧

 ・面接指導に役立つチェックリストや書式

 ・面接指導対象者が医師の場合の面接指導に役立つチェックリストや書式

 ・オンラインによる面接指導の場合に役立つチェックリストや書式


※本書掲載の各種書式、チェックリスト等は、下記URLからダウンロードできます。

http://www.uoeh-u.ac.jp/kouza/sanhoken/shiryo/index.html